大判例

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仙台高等裁判所 昭和29年(う)354号 判決

弁護人及び被告人の各控訴趣意中原判示第四の粳精米が被告人の所有でないのにその換価代金を没収したとの主張について。

原判決が原判示第四の事実につき原審の押収にかかる粳精米四十二瓩の換価代金三千九円を没収するにあたり、右粳精米が被告人以外のものに属しないと認められると説示していること所論のとおりである。しかし、右粳精米が被告人のものである点につき被告人の司法警察員に対する昭和二十九年一月二十七日附供述調書にその趣旨とみられる供述記載があるのみでなく、仮に本件粳精米が所論のように大竹富吉の所有物であるとしても、記録に徴すれば、被告人の本件犯行につき大竹富吉がその共犯関係にあつたことを窺い得るのである。そして、刑法第十九条第二項の犯人とは、数人共犯関係にある場合は、同法条第一項各号に該当する物件は現に訴追を受けた被告人たる者の所有に属するものに限らず、その共犯関係にある者で未だ訴追を受けていない者の所有に係るものであつても亦犯人の所有に属するものであつて、即ち同条第二項にいわゆる犯人以外の者の所有に属しないものというべきであるから、その訴追を受けた被告人たる者に対し没収の言渡をなし得るものである。されば、仮に本件粳精米が訴追を受けていない大竹富吉の所有であつて、原判決がこれを被告人のものと認めたのは事実を誤認したものであるとしても、結局被告人に対してこれが没収の言渡をなし得るのであるから、右の誤りは未だ原判決破棄の理由となすに足りない。論旨は理由がない。

(裁判長裁判官 鈴木禎次郎 裁判官 蓮見重治 裁判官 細野幸雄)

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